
退職後の健康保険、任意継続と国保のどちらにするか迷っていませんか?
夫は2026年6月末、66歳で再雇用先を退職しました。退職したあとの健康保険は、会社の保険をそのまま続ける「任意継続」か、住んでいる市の「国民健康保険(国保)」かを選びます。
わが家は区役所で国保の概算を聞いて比べ、任意継続のほうが月2000円安いとわかったので、任意継続を選びました。ただ、2年目の国保は概算が月1万円ほど下がる見込みだったので、2027年4月からは国保に切り替える予定です。
- 退職後の健康保険で迷っている
- 任意継続と国保の比べ方が知りたい
- 60代で再雇用先を退職する
- 65歳からの介護保険料が気になる
「扶養している家族によっては、数十万円の違いが出る」という話も聞いていました。実際のわが家の差は、月2000円です。比べ方と、比べてわかったことを、わが家の条件と一緒にまとめます。退職した年のふるさと納税の上限は、年金受給者のふるさと納税の記事に書いています。
任意継続と国保の比較の結論

先に、わが家の答えをまとめます。区役所でもらった国保の概算と、任意継続の保険料を比べました。結果は任意継続のほうが安かったので、夫は、7月分から会社の健康保険を任意継続しました。2027年4月からは、国保に切り替える予定です。ただ、この差はわが家の条件での話です。年収や扶養している家族の人数によって、結果は変わります。
差は月2000円で任意継続に
比べた結果は、任意継続のほうが月2000円安いでした。1年にすると、2万4000円ほどの差です。
わが家は再雇用で扶養なし
| わが家の条件 | 内容 |
|---|---|
| 夫 | 66歳。2026年6月末に退職 |
| 退職前の働き方 | 60歳から再雇用(収入は現役時代の6割くらい) |
| 夫の健康保険 | 会社の健康保険組合 |
| 扶養している家族 | なし(私は自分の勤務先の健康保険) |
夫は60歳から再雇用の契約で、収入は現役時代の6割くらいでした。そのため、もともと差が出にくい給与体系だったのかもしれません。扶養している家族がいる場合や、退職前の収入が高かった場合は、結果が違ってくると思います。
任意継続は1年目だけの予定
任意継続に入っていられるのは、最長2年です(協会けんぽ)。ただ、わが家は2年続けずに、2027年4月から国保に切り替える予定です。6月に区役所で、2年目の国保の概算も出してもらっていました。くわしくは、後半の「2年目は国保に切り替え」で書きます。
区役所で概算を聞いた流れ

国保の保険料は、住んでいる市区町村が決めます。わが家は横浜市なので、区役所の窓口で国保の概算を聞きました。ところが、1回目の相談では金額を教えてもらえませんでした。
5月は概算が出なかった
夫の退職は、6月末の予定でした。わが家は5月中に一度、区役所の窓口に相談に行っています。そのときは、6月に入ってから来てくださいと案内され、概算は出してもらえませんでした。横浜市では、毎年6月中旬に、その年度の国保の保険料を決めています(横浜市)。
6月の2回目の相談では、書類をもとに2年目の分まで概算を出してもらえました。窓口の人によって、案内が少し違うこともあるのかもしれません。一度で答えが出なくても、書類をそろえてもう一度聞いてみるのがおすすめです。
6月の2週目がすいている
そのとき窓口で、アドバイスももらいました。「6月の3週目に入ると窓口が混み合ってくるので、6月の2週目に来るとスムーズに対応できます」とのこと。相談に行く時期まで教えてもらえたのは、知らなかったことでした。
源泉徴収票と年金の概算
6月の2回目の相談に持って行ったのは、2025年分の源泉徴収票と、個人年金の額がわかる書類、年金事務所で計算してもらった老齢年金の概算です。この書類をもとに、1年目と2年目の国保の概算を計算してもらえました。
1年目(2026年度)の国保は、2025年の所得で計算されます。2年目(2027年度)の分は、老齢年金と個人年金の見込みの額をもとにした、あくまで概算です。
- 2025年分の源泉徴収票
- 個人年金の額がわかる書類
- 年金事務所で計算してもらった老齢年金の概算
必要な書類は、人によって違うこともあります。相談に行く前に、区役所に電話で確かめておくと安心です。
区役所の前に試算ページも使った
横浜市の公式サイトには、国保の保険料を試算できるページがあります。前年の所得や加入する人数などを入れると、おおまかな金額がわかるしくみです。わが家は、区役所に相談する前に、この試算ページも使っていました。ただし、試算はあくまで目安で、実際の保険料とは違うことがあるそうです(横浜市)。
試算の金額は、区役所の概算とほぼ同じで、やや国保のほうが高いという印象でした。ただ、差が数千円しかないと、試算だけではどちらがよいか判断しにくいと感じました。わが家が最後に決めたのは、区役所でもらった概算です。
もう1つ気をつけたいのが、払う回数です。横浜市の国保は原則年10回払いなので、1回に払う金額は、1年分を12で割った金額とは同じになりません(横浜市の試算ページの説明より)。比べるときは、1年分の金額でそろえると比べやすくなります。
任意継続と国保の違い

ここからは、2つの制度の違いを、協会けんぽと横浜市の公式サイトの情報でまとめます。比べるときに知っておきたいのは、保険料の決まり方と、家族の保険料の数え方、そして手続きの期限です。
- 会社の保険を続ける任意継続
- 市区町村の国保
- 家族の健康保険の扶養に入る(60歳以上は年収180万円未満など)
夫は年金の額から、私の扶養には入れないことを確かめていました。そのため、わが家は任意継続と国保の2つで比べています。
| 比べること | 任意継続 | 国保(横浜市) |
|---|---|---|
| 保険料のもと | 退職したときの給料 | 前年の所得と加入する人数 |
| 扶養している家族 | 保険料は増えない | 加入する人ごとにかかる |
| 入っていられる期間 | 最長2年 | 期間の決まりなし |
| 手続きの期限 | 退職日の翌日から20日以内 | 加入から14日以内 |
保険料の決まり方
任意継続の保険料は、退職したときの給料(標準報酬月額)をもとに決まります。在職中は、会社と本人が保険料を半分ずつ払う「労使折半」でした。退職後は会社の分も全額自分で払うので、保険料はこれまでのおよそ2倍になります(協会けんぽ)。わが家も、任意継続の保険料は、夫の給料から引かれていた額の2倍くらいの金額です。
ただし、協会けんぽでは計算のもとにする給料に上限があり、令和8年度は32万円です(協会けんぽ)。退職したときの給料が高かった人は、2倍よりおさえられることがあります。会社の健康保険組合では、会社が半分より多く払っていたところもあり、上限などの決まりも組合ごとにさまざまです。一方、国保の保険料は、前年の所得と加入する人数から決まります(横浜市)。
国保の保険料の計算のしかた
国保の保険料は、次の3つのステップで計算します。横浜市の場合でまとめました(横浜市)。
- 前年の「所得」から43万円を引く(=基準総所得金額)
- その金額に、区分ごとの「率」をかける(=所得割)
- 1人ずつ決まった金額(=均等割)を足して合計する
ここで使うのは、給料や年金の「収入」ではなく、そこから控除を引いた「所得」です。区分は、医療分・支援分・子ども分の3つ。40歳から64歳の人は、これに介護分が加わります。横浜市の令和8年度の率と金額は、次のとおりです。
| 区分 | 所得割の率 | 均等割(1人あたり) | 1年の上限 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 8.33% | 4万870円 | 67万円 |
| 支援分 | 2.62% | 1万3380円 | 26万円 |
| 子ども分 | 0.34% | 1770円 | 3万円 |
| 介護分(40〜64歳) | 2.84% | 1万6200円 | 17万円 |
たとえば、横浜市で65歳から74歳の人が1人で国保に入り、前年の所得が200万円だった場合の計算例です。わが家の金額ではなく、しくみを知るための例です。
| 区分 | 所得割 | 均等割 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 医療分 | 157万円×8.33%=13万781円 | 4万870円 | 17万1651円 |
| 支援分 | 157万円×2.62%=4万1134円 | 1万3380円 | 5万4514円 |
| 子ども分 | 157万円×0.34%=5338円 | 1770円 | 7108円 |
| 合計 | 約23万3000円 |
この人が40歳から64歳なら、介護分の約6万1000円が加わります。実際には、所得が少ない世帯の減額などもあり、細かい端数の扱いもあります。正確な金額は試算ページか区役所で確かめてください(横浜市の料率のページ・用語の説明)。
- 任意継続:給料から引かれていた健康保険料のおよそ2倍(上限あり)
- 国保:前年の所得から上の3ステップで計算
- 2つを1年分の金額にそろえて比べる
家族の保険料の数え方
国保は、加入する人ごとに「均等割」という保険料がかかります(横浜市)。任意継続は、扶養している家族がいても保険料は変わりません。そのため、家族が多いほど差が出やすいのです。わが家は扶養している家族がいないので、夫1人分で比べました。
手続きの期限は20日以内
任意継続は、退職日の翌日から20日以内に申し出ます。20日目が土日祝日のときは、次の平日までです。郵送のときは、20日以内に届いている必要があります(協会けんぽ)。国保は、加入から14日以内に区役所で届け出ます(横浜市)。
65歳以上の介護保険料

介護保険料は、任意継続とは別に払うお金です。ただ、65歳前後で退職する人には大事な話なので、ここにまとめておきます。わが家は、この介護保険料の金額に驚きました。
65歳で区役所への支払いに
40歳から64歳までの介護保険料は、健康保険の保険料と一緒に払います。65歳になると、住んでいる市区町村に払うしくみに変わります(横浜市)。任意継続の保険料にも、65歳以上の人の介護保険料は入っていません。
在職中から振込用紙が届いた
わが家は、夫が65歳になった誕生月から振込用紙が届くようになりました。まだ働いていたときのことです。横浜市では、年金が年18万円以上ある人は年金から天引きになり、それ以外の人は納付書か口座振替で払います。新しく65歳になった人は、はじめは納付書などでの支払いになるそうです(横浜市)。
金額が跳ね上がって驚いた
届いた振込用紙を見て、金額が跳ね上がっていたので驚きました。65歳以上の介護保険料は、市区町村が本人や世帯の所得などをもとに決めます(横浜市)。退職後の健康保険を考えるときは、介護保険料も別にかかると覚えておくと、あわてずに済みます。
保険料は毎月払いに

任意継続の保険料は、毎月払うほかに、まとめて前払いすることもできます。わが家は、前払いのほうが安いと知ったうえで、あえて毎月払いを続けています。
半年分の前払いも選べた
10月に、健康保険組合からお知らせが届きました。中には、毎月払いの用紙と、半年分を前払いする用紙の両方が入っていました。どちらかを選べるようになっています。
前払いなら毎月600円安い
前払いにすると、毎月600円ほど安くなる計算でした。半年にすると、3600円ほどです。前払いの割引は、加入している健康保険によって違います。
2年目の見直しを忘れないため
それでも毎月払いにしたのは、2年目に続けるかを判断する時期を忘れないためです。600円の割引よりも、見直しのタイミングを逃さないほうを選びました。
2年目は国保に切り替え

任意継続に入っていられるのは、最長2年です。でも、2年を待たずに国保へ切り替えることもできます。わが家は、2年目の国保の概算が下がる見込みだったので、2027年4月から国保に切り替える予定です。1年目と2年目で、答えが変わりました。
1年目と2年目の比較
| 時期 | 比べた結果 |
|---|---|
| 1年目(2026年7月から) | 任意継続のほうが月2000円安い → 任意継続に |
| 2年目(2027年4月から) | 国保の概算が1年目より月1万円ほど下がる見込み → 国保に切り替え予定 |
2年目の国保は、1年目の国保の概算より月1万円ほど下がる見込みでした。任意継続との差は月2000円だったので、2年目は国保のほうが安くなる計算です。ただし、2年目の概算は、老齢年金と個人年金の見込みの額をもとにした、あくまで概算です。正式な金額は、2027年6月に決まります(横浜市)。
国保は前年の所得で決まる
国保の保険料は、前年の所得をもとに決まります(横浜市)。1年目(2026年度)の国保は、1年分の給料があった2025年の所得で計算されます。2年目(2027年度)の計算に使うのは、2026年の所得です。夫の2026年の収入は、6月までの給料と、8月から受け取りが始まった年金でした。給料が半年分になったぶん、2年目の国保は下がる見込みです。区役所の概算は年金の見込みの額で出してもらったので、6月までの給料も入る正式な金額は、概算より高くなるかもしれません。
さらに、2027年は年金だけの年です。2028年6月に決まる2028年度の国保は、年金だけの所得で計算されるので、もう一段下がるかもしれません。
切り替えは年度が変わる4月
国保の保険料は、4月から翌年3月までの年度ごとに決まります(横浜市)。2027年度の保険料は、4月分から2026年の所得で計算されます。わが家が切り替えるのも、この年度の変わり目の2027年4月です。
任意継続は、本人が申し出ればやめられます。申し出が受理された月の翌月1日に、資格がなくなるしくみです(協会けんぽ)。4月1日に切り替えるなら、3月中に申し出が受理されている必要があります。そのあと、14日以内に区役所で国保の届け出をします(横浜市)。会社の健康保険組合で任意継続している人は、申し出の方法を組合に確かめておくと安心です。
任意継続のよくある質問

任意継続と国保について、私が調べたことや、聞かれそうなことをまとめます。
任意継続と国保はどっちが安い
家庭によって違います。退職前の給料、前年の所得、家族の人数で変わるからです。わが家は、1年目は任意継続のほうが月2000円安く、2年目は国保のほうが安くなる見込みでした。区役所で国保の概算を聞いて比べるのが確実です。横浜市のように、公式サイトで国保の保険料を試算できる市区町村もあります。
65歳以上でも任意継続に入れる
入れます。夫も66歳で任意継続に入りました。ただし、75歳で後期高齢者医療制度に入ると、2年たつ前でも任意継続の資格はなくなります(協会けんぽ)。
国保の概算はいつ聞ける
わが家が相談した区役所では、6月に入ってからと言われました。横浜市では、毎年6月中旬に、その年度(4月から翌年3月まで)の国保の保険料を決めて通知しています(横浜市)。1年分の保険料は、4月と5月の分も含めて、6月から翌年3月までの10回に分けて払います(横浜市)。窓口では、6月の3週目からは混むので、2週目がスムーズとのことでした。わが家は、このとき2年目の概算も出してもらいました。
途中で国保に切り替えられる
切り替えられます。任意継続をやめると申し出ると、受理された月の翌月1日に資格がなくなります(協会けんぽ)。そのあと、14日以内に国保の届け出が必要です(横浜市)。わが家も、2027年4月から国保に切り替える予定です。
手続きの期限はいつまで
任意継続は、退職日の翌日から20日以内です(協会けんぽ)。国保は、加入から14日以内に届け出ます(横浜市)。どちらにするか迷っているうちに、期限が来ないように気をつけたいところです。
妻が自分の勤務先の保険のときは
私は自分の勤務先の健康保険に入っていて、夫の扶養ではありません。そのため、夫の保険は夫1人分で比べました。扶養している家族がいるときは、国保は人数分の保険料がかかるので、比べた結果が変わることがあります。
家族の扶養に入ることはできる
条件を満たせば入れます。60歳以上の人は年収180万円未満で、同居なら家族の年収の半分未満などが条件です。年金も収入に数えます(協会けんぽ)。わが家は夫の年金の額から入れないとわかったので、任意継続と国保で比べました。
任意継続と国保の比較まとめ

わが家は区役所で国保の概算を聞いて比べ、1年目は任意継続のほうが月2000円安かったので、任意継続を選びました。2年目は国保の概算が月1万円ほど下がる見込みなので、2027年4月から国保に切り替える予定です。65歳からは介護保険料を別に払うことや、2年のあいだに見直せることも、比べる中で知りました。
- 差は月2000円で任意継続に
- 2年目は国保に切り替え予定
- 国保の概算は6月に入ってから
- 持ち物は源泉徴収票と年金の書類
- 65歳からの介護保険料は別払い
- 前払いより見直しの時期を優先
月2000円の差でしたが、この話し合いがきっかけで、年金で暮らすこれからのことを夫と腹を割って話せました。それが一番の収穫です。
退職が近い方は、まずお住まいの区役所や市役所で、国保の概算を聞いてみてください。わが家の区役所では、2年目の概算も一緒に出してもらえました。任意継続の保険料は、加入している健康保険の窓口で確かめられます。
本記事は、筆者の家庭で任意継続と国保を比べた体験と、2026年11月時点の協会けんぽ・横浜市の公式情報をもとにした記事です。保険料や手続きの決まりは、加入している健康保険や住んでいる市区町村、時期によって異なります。くわしくは、加入している健康保険と市区町村の窓口でご確認ください。
